胃潰瘍と十二指腸潰瘍

 

さて、ピロリ菌を持っている人のカラダはどうなるのでしょうか。ピロリ菌に感染した場合には、多くの人が慢性胃炎になるという傾向がみられますが、慢性胃炎の状態にもかなり格差があるようです。

 

自覚症状がない人もいますし、軽い胃の痛みや胃もたれ、胃の不快を感じる人もいます。自覚症状がないということは、一見いいことのようですが、そうでもありません。それは病気を発症しても本人が何も気づかない時もあるからで、自覚症状が出た頃には、病気もかなり進行してしまう危険性があります。

 

いずれにしても早期発見と早期治療が重要となります。ピロリ菌は特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍になる原因だとされているわけですが、ピロリ菌については実は十二指腸潰瘍の方が保菌者が多いとされています。

 

中年以降に多いのが胃潰瘍ですが、十二指腸潰瘍では比較的若年者に多くなっている傾向があります。

 

ピロリ菌は胃の前庭部に潜伏しており、ガストリン分泌刺激を連続的に行うことで、胃酸の分泌過多を招きやすくしています。

 

十二指腸潰瘍の特徴として、食前や空腹時に痛みが強くなることが知られていますが、その理由は摂食刺激でセクレチンが分泌され、ガストリン分泌が減少し、胃酸分泌も少なくなると考えられているからです。

 

精神的ストレスが理由となる場合も多いのですが、こうした原因が重複していることも想定されます。もちろん、治療や再発防止には、医師の指示に従い、薬以外も含めた治療をすることになります。