ピロリ菌の特性

 

ピロリ菌には4~8本のべん毛がありますが、これがスクリューのように回転することで、らせん状の身体も回転し、移動していきます。べん毛は逆回転もできるので、バックもします。

 

身体の回転は1秒間に約100回転で、菌体の10倍程度の距離を移動させます。胃の中の酸度は部位によって強さが異なっており、弱いのは胃の粘液層で、強いのは内腔の部分です。

 

ピロリ菌の特長は、べん毛が酸の弱そうなところを判断するセンサー機能になっているとされる点で、実際このピロリ菌のべん毛というのは、先端が袋のような膜になっていて、胃酸からべん毛を保護する仕組みになっています。

 

このような特性を持って酸の中に生息すること自体がかなり特殊な存在だということになるでしょう。

 

ピロリ菌の感染率については各国によって異なりますが、傾向としては発展途上国で高くなっており、先進国で低いのですが、なぜか日本人のピロリ菌感染率は先進国でありながら高いものになっています。

 

実際の感染については、マーシャル博士の人体実験で証明されたのでは、どうやら口から入っているということです。従って、感染方法としては、口から口の感染(歯垢やだ液のピロリ菌)、糞から口の感染(便からのピロリ菌)、飲料水からの感染(水道水からのピロリ菌)、他にも動物を媒体とする感染や内視鏡を媒体とした感染などが挙げられ、複数の要因が想定されています。問題なのは、ピロリ菌が粘膜障害を起こす原因や過程ということになるのですが、残念ながらこの点がまだはっきりとは解明されていないのです。

 

ただし、その過程は複数のメカニズムが関連している可能性が考えられ、空胞化毒素、アンモニア、活性酸素、粘液細胞の直接障害などが想定されています。